後書き(室町)

高砂  
 当初はタイトルを「お前百までわしゃ九十九まで……」の都々逸から取るつもりだったが、設定が室町時代であった為、当該都々逸の元ネタになったともされる能『高砂』からつけた。
 なお、話の中身は殆ど関係がない。(2023/10/12)

消し炭の味がした

     
  1. 砂糖饅頭という表記について……室町時代初期の『新札往来』において「砂糖饅頭」の存在が初めて記されており、その後作られた『七十一番職人歌合』には、「砂糖饅頭、菜饅頭、いづれもよく蒸して候」と詠われている。それ故、この時代にはお菓子としての砂糖饅頭と食事としての菜饅頭を分けていたと考えられることから、作中内でも当該表記を使用した。
  2.  
  3. 作中の薬について……茄子の黒焼き、ないしは蔕の黒焼きについては江戸時代が初出だが、茄子自体の日本への伝来は概ね7〜8世紀、食されるようになったのは奈良時代からということを踏まえて似たような代物はあったのではないか、ということで件の薬を登場させた。間違いがあった場合は、「また捏造してるな〜」とお目溢し頂ければ幸いである。(2024/07/20)

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